一章 ギルドの世界

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かなり重くなった足取りで、シャルトは聖十字の望みに到着した。 「いつ見てもでかいギルドだよ。やっぱすげえなぁ」 シャルトの目の前にあるのは大きな扉。 凝った造りになっていて、よく見ると細かい模様が入っていた。 扉の前に立つのは二人の門番。 二人そろって厳しい目つきで遠くを見ている。 「(格好つけてるつもりか?物語で見る門番じゃねーんだから。 はっきり言ってダサイぞ、ダサイ。空ばっか見てないで前を見ろー)」 ぶっちゃけると雑談でもしてくれていた方がありがたかった。 でなければシャルトはこんなにドン引きしていなかっただろう。 帯剣した少年が目の前にいるのだ。少し反応するのが普通だろう。 「(…でも、こんなんでもこのギルドの一員か)すいませーん」 少々呆れながらも、それを心に押し隠し、門番に話しかけた。 「…!?な、何用か、少年!」 自分から見て右側の門番が反応した。 「(今空見過ぎてぼーっとしてたろ)中に入れてもらえませんか?」 「迷子か?それなら我らが道を……って帯剣!?」 右側の門番が今さらシャルトの剣に気付く。 「迷子じゃないです。そもそも俺この町の住民ですから。 このギルドに入りたくて来ました。中に入れてください」 シャルトは頭を下げる。
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