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「それは置いといて……早速呼び出した理由を――」
「何でバレてんの、ねぇ! これは俺の今後に関わることなんだよ!」
「大丈夫。誰にも言ったりしない。人のそういう癖なんてたくさんいる。私もSだから安心して」
肩に手を置き、まるで天使のような優しい口調で俺を慰める。
「お前……俺をそんなに思って……」
ってなるかぁぁあ!
それって脅迫だよな。
退部なんてしたらそれを言い触らすっていうことだよな? だってSだもの!
「さて、呼び出した理由だけど」
床に崩れ落ちる俺を無視して、碧眼女は話を進めようとする。
「お前! 俺がMだからって何もしないと思っているのか!? だったら大きな間違いだ! 俺だってやる時はやるんじゃい!」
俺はその子の肩を強く掴む。
何でだろう。
目から涙が溢れてくる。
「いやー。おーたーすーけー」
そんな俺を目の前にしても棒読みで答える彼女には素直にすごいとも思える。
そして何故だろう?
彼女は腕時計で時間を気にしている。
「あのー、すみません。依頼を頼んだ者ですが――」
そこで見たことのない女生徒は言葉を飲み込んだ。
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