プロローグ

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『実験室』 プレートにはそう書いてあった。 僕はそっとドアまで忍び寄り、右目を細めて中を覗いた。 その瞬間、自分の目を疑った。 ―――無数の医療器具に、無数のベッド。 白衣の男。 そして白い手術台に寝かされていたのは、 「り……な…」 自分の声が酷く遠くのものに感じられた。 なんで、妹がそこにいる。 なんで、皮膚が焼けただれている。 冷静になろうとして視線を外したが、そのせいで僕はさらに混乱することになった。
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