10人が本棚に入れています
本棚に追加
目の前の世界が一転した。
いつもの天井、
いつもの部屋。
「……夢…だったのか…」
今さら、自分の声で目が覚めたのだと気づく。
(またか…)
残酷な夢を見るのはこれが初めてではない。
半年くらい前から毎日のように悪夢を見るもんだから、もう寝るのが怖いくらいだ。
高校生になってまだ夢が怖いなんて、情けないな…
そんなことを思いつつ、時計に目をやる。
……5時42分か。ちょっと早く起きすぎたな。
あらかじめセットしておいた目覚ましを解除するため、まだ寝ぼけた頭で携帯をいじる。
「3…2…1…0…やっぱり1、2…3……、2…1……よしっっっ!!!」
最後のよし!だけ異様にでかい声になった。
僕は(ほぼ存在意義を果たしてない)カウントダウンを終えて、勢い良く布団から脱出したのだった。
最初のコメントを投稿しよう!