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「えっと、この問題は・・・」
「それは公式を利用するんだ。左辺を右辺に・・・」
「あっ、分かりました!」
目が覚めてから一週間がたった。
私は彼女――メアリーに勉強を教えている。
「ムスカさんって頭がいいんですね」
「元いた職場が、頭がよくないとやっていけない場所だったからな」
メアリーには私の職場――政府の特務機関については知らせていない。
ラピュタ王になるため、私は将軍や軍の兵士を殺しているからな。おそらくお尋ね者になっていることだろう。
「そろそろお昼ですね。なにかリクエストがあったら聞きますよ」
「君の作ってくれるものなら、何だって構わない」
彼女の料理の腕前は鉄人級だ。
軍の食堂がごみ捨て場に思えるくらいには美味い。
「(・・・・・・こ、これは告白ってことなのかしら?)」
「何か言ったか?」
「い、いえっ!」
彼女は慌ただしく部屋を出ていった。
・・・・・・何なのだ?
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