日常

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「は、はい、あーん」 「まったく、メアリーさんの困った癖だ」 もう慣れたので恥ずかしくはないが、心なしか彼女が恥ずかしがっている気がする。 「ふむ、今日も美味しいな」 味付けも調理も見事。 しかし何よりも温かさが心にしみる。 ・・・これが食べる人を思って作られた料理というやつか。料理は愛情とは、よく言ったものだ。 「そ、それにしてもムスカさんって本当に頭がいいですよね。元の職場って、よほどすごい場所だったんですね」 「頭の中に一通りの式は入っているからな。話を聞けば答えられるさ」 もっとも、特務機関の奴らならこのくらいできるんだろうが。 「それにしても、君の飲み込みの早さには心底感服させられる。とても十五とは思えない」 「ムスカさんの教えがうまいからですよっ」 「卑下することはない。君はもっと自分を誇るべきだ」 充実している。 特務機関で働いていた時には感じることができなかった、満たされた気持ちになる。 ・・・これでいいのだろうか。
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