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「うぅ・・・」
目を開けると真っ暗な場所だった。感触から、どうやら私はベッドに寝かされているらしい。
幸い、二人にやられた目に痛みはなく、いつも通りだ。
「あっ、起きましたか!」
横からした声に驚く。人がいたのか。
「どこか痛む所はありませんか? 気分が悪かったりは?」
若い女の声だ。あの忌々しい小娘より少し年上だろうか。
「ああ、問題ない。すこぶる快調――ではないが、特に不調はない」
「そうですか。・・・・・・よかったぁ・・・」
少女(だろう)は大きなため息をついた。まるで何日も寝ていない奴が寝ることを許されたような、深い深い安堵のため息だ。
「このまま目が覚めないんじゃないかって、不安で不安で・・・」
「・・・・・・」
私のせいだった。
この言葉からすると、私を看病してくれていたみたいだ。
「君が助けてくれたのか。助かったよ」
「い、いえ!」
ベッドから出て、両足で立つ。軽く体を動かしてみて、五体満足なのを確認する。少しふらついたのはずっと寝ていたからだろう。
「良かったぁ・・・。あっ、今ご飯を持ってきますね」
少女の足音が遠ざかっていくのを聞き、咄嗟に呼び止める。
明かりをつけてくれ、と。
「・・・・・・え?」
少女の声は強ばっていた。
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