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「何?東桜、転校するの?」
しまい忘れた資料に唖然とした表情を隠さない米倉。
「っ…うるさい!学校なんてクソだろ…だからどこ行ったって同じだ」
久しぶりに学校に来ればこれだ。
「じゃあなんで退学しないの?」
…退学?
「そんなに学校が嫌なら辞めちゃえばいいじゃない!」
ツキン―。
米倉の言葉が刺さってチクチクする。
本当に嫌いなら辞めれた。
でも、俺が学校にいるのはあの人と約束したから…。
「学校なんかトップで卒業してやっから、兄ちゃんも早く病気治せよ!」
俺の一つ上の兄貴東桜菖蒲ヒガシザクラショウブは昔から入退院を繰り返していた。
その時に約束した…。
なのに兄貴はある日、病室を脱走した。
いつ発作が起きても分からない状態だったのに、だ。
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