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「私は日本人が憎い。」
彼は吐き捨てる様に言った。
「私の両親は日本人に殺されました。」
男が言った。
「それは可愛そうに。でも、憎い憎いと言っても仕方がないじゃありませんか。」
「それじゃあ、もしあなたの両親が殺されたら、そいつらを憎みませんか?」
「いや、私の両親も殺されたんです。」
「そうでしたか。じゃあ、そいつらが憎くありませんか。どこの国の奴に殺されたんです?」
男は言った。
「私の両親は人間に殺されました。」
彼は失笑し、やがて悲しげな顔をして、顔を伏せた。
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