1冊目 古泉は暇なようです

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「ここで僕が書いたら…リレー小説じゃ無くなるよ…」 ここまでは 守野→古泉→守野 と書いてきたがここで古泉が書いてしまえばリレー小説と言うよりも文通小説になってしまう。 たくさんの人の考え方が詰まっている小説こそがリレー小説。 古泉はそう考えていた。 「で、でも…昨日ようやく書いてくれる人…先輩を見つけたんですよ…?」 守野も本当はたくさんの人と書いていきたいらしい。 しかしこの学校に入学したのが悪かった。 「…そっか……じゃあ…この話……ゴキブリの話は…僕たち二人で作ろっか」 「え…?…で…でも…」 「ゆっくり…やって行けばいいよ」 何も今すぐ実行する必要は無い。そう判断した古泉は微笑みながら言った。 「……先輩、初めて笑いましたね」 その顔を見た守野は少し驚いた顔をする。 「…と言うか…知り合ってまだ二日目だよね…?」 「あはは、それもそうでしたっ」 二人で軽く笑っていると授業が始まるチャイムが鳴った。 「やばっ…じゃあ先輩、後ほど!」 「あ、うん…」 チャイムを聞いた守野は慌てて自分の教室に戻っていった。 ノートを置いて。 「…さて…次の時間は英語…話でも考えよっと」 授業を真面目に受ける気など全くない古泉であった。
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