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守野は必死に先程のマンガをバックの中にしまい、柄の同じノートをバックから取り出した。
……だから間違えたのだろう。
「こっ……これ、です」
「…………今度は……なんのびーえる」
「ちちち違いますよ!!い、良いから見てください!!」
押し付けるようにしてノートを渡される。
そのノートの表紙には『リレー小説』とだけ書かれていた。
「……リレー、小説……?」
「そうですっ」
「……びーえる、は……?」
「だっ、だから違うって言ってるじゃないですか!!」
「…………それで……リレー小説って……?」
「あ、知らないんですか?うーんと、例えばですね……Aさんが『昔々……』みたいな風に物語を書き始めたとするじゃないですか」
「……うん」
「それで、そのAさんが途中まで書いた物を次のBさんが続いて書き始めるんですっ」
「……なるほど……だからリレー小説なんだ……でも、それだと支離滅裂になるんじゃ………」
「それが面白いんですよ!!ぶっちゃけリレー小説で真面目な物なんて殆どありません。何故ならっ」
「書く人が違うと……性格の違いや……その人の想像力によって……変わって行くから」
「……そ、その通りです」
自分が言おうとしていたことをアッサリと言われて少し不満げな守野。
もちろん古泉がそんなことを気に掛けるハズもなく、受け取ったノートを開いてみる。
その中にはたった数行の文章が記されてあった。
オレっち、ゴキブリ!!世界を旅するさすらいの虫さっ!!
オレっちは今、風呂場の天井で待機中さっ!!
え、なぜかって?そりゃあもちろん…………グヘヘヘ……。
次の人に続く
「……………………え、いや……何これ……」
「……だから、リレー小説……ですよ?」
疑問系で答えるな。
いきなりなんと言う物を書いてるんだこれ書いた人。一度お目にかかりたい。
古泉はそう心の中でそう呟く。
「あ、もちろんこれ書いたのあたしです」
目の前にいた。
……と言うか、これより先のページに何も書かれていないのですが……?
まさか……。
「……これの……続き、は……?」
「ですから先輩が書くんですよ?」
古泉は逃げ出した!!
しかし回り込まれた!!!
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