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「……ハァ…………」
現在、帰宅中の古泉。
結果的にノートを押し付けられてしまった。
確かに……確かにリレー小説と言う物は、色んな人の考えが詰まったとても魅力的な代物だ。
だが、なぜいきなりあそこまでのハードルとなってしまったのだろうか。
最初なら無難で良いだろう。
なぜに虫。
そしてなぜにゴキブリ。
なぜにゴキブリが風呂場の天井でグヘヘヘ言っているのか。
……はい、どう考えても女体を覗いているゴキブリのグヘヘヘですよね。
だが、そこはリレー小説。
テンプレートに責めれば良いと言う訳ではない。
「……発想……か」
次の日。
「おはよーございます!先輩っ!!」
「…………」
良い感じの布団ポジションで寝ていた古泉。
だが玄関先のインターホンの呼び出し音により起きる羽目となった。
両親は仕事関連で早めに家を出てしまう為、現在家には自分以外の誰も居ない。
仕方がなく玄関の扉を開けると既に学校の制服に身を包んだ昨日の女の子、守野がいた。
「…………なに……?」
「一緒に学校、行きましょうっ!!」
「……やだ」
「えっ……せっかく朝から女の子と一緒に登校することができると言う貴重な体験が」
「お休み」
「あ、ちょっと!?ごめんなさいウソです!!ホントは昨日のリレー小説が気になって来たんですー!!マジですよ!?だから開けてくださいー!!」
……今、何時……?
……5時08分……。
近所迷惑でしかない。ここで開けないと僕の家の者が騒がしいと噂されてしまう。
そう考えた古泉はホントにマジでやむを得ず仕方がなく扉を開けた。
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