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いや、まだ。
まだ訂正するチャンスはある。
そう思った古泉は守野に向き合い……。
「……やっぱり……その展開……」
「さて、学校に行きましょう」
この日ほど自分の無口さを呪ったことはない。
こうして、ゴキブリラブストーリーは確定してしまった。
ゴキブリラブストーリーの展開を止められなかった古泉は諦めて守野と学校に向かう。
一人で静かに登校するのが好みではあったが、一緒に登校することを拒否する理由も特にないので何も言わない。
「……その後の展開、どうするの……?」
「知らないですよ」
無責任な。
「その後の展開は次に書く人によって違いますからねー 」
「……それもそっか……」
続きを書く人へ。
このような展開にしてしまってごめんなさい。
古泉は心の底から謝罪していた。
学校に着き、守野と別れて自分の教室へ。
時間は割とギリギリらしく、殆どのクラスメートが登校済みで、何グループかに分けて談笑している。
中には一人で読書してる人もいるが、それはどの学校でも珍しくは無いはず。
古泉の立ち位置は……どちらかと言えば一人でいることが多いが、かと言ってボッチと言う訳でもない。
「お、よっす古泉!」
古泉が自分の席に着いた所で、隣の男子生徒が挨拶を交わしてきた。
それに対して古泉も返す。
「……おはよ……郷君」
「はっはーっ!相変わらずだなお前は!!」
……皆は彼を……郷君を覚えているだろうか。
彼の名前は郷君。
ヒロミでは無いです。
彼は古泉が一生懸命描いた似顔絵をは○れメタルとバッサリ言い切った張本人である。
なぜ似顔絵が経験値野郎になったのかは古泉にも分からないが、なんか大絶賛されたので満足し、特に何も言わなかった。
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