1冊目 古泉は暇なようです

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いや、まだ。 まだ訂正するチャンスはある。 そう思った古泉は守野に向き合い……。 「……やっぱり……その展開……」 「さて、学校に行きましょう」 この日ほど自分の無口さを呪ったことはない。 こうして、ゴキブリラブストーリーは確定してしまった。 ゴキブリラブストーリーの展開を止められなかった古泉は諦めて守野と学校に向かう。 一人で静かに登校するのが好みではあったが、一緒に登校することを拒否する理由も特にないので何も言わない。 「……その後の展開、どうするの……?」 「知らないですよ」 無責任な。 「その後の展開は次に書く人によって違いますからねー 」 「……それもそっか……」 続きを書く人へ。 このような展開にしてしまってごめんなさい。 古泉は心の底から謝罪していた。 学校に着き、守野と別れて自分の教室へ。 時間は割とギリギリらしく、殆どのクラスメートが登校済みで、何グループかに分けて談笑している。 中には一人で読書してる人もいるが、それはどの学校でも珍しくは無いはず。 古泉の立ち位置は……どちらかと言えば一人でいることが多いが、かと言ってボッチと言う訳でもない。 「お、よっす古泉!」 古泉が自分の席に着いた所で、隣の男子生徒が挨拶を交わしてきた。 それに対して古泉も返す。 「……おはよ……郷君」 「はっはーっ!相変わらずだなお前は!!」 ……皆は彼を……郷君を覚えているだろうか。 彼の名前は郷君。 ヒロミでは無いです。 彼は古泉が一生懸命描いた似顔絵をは○れメタルとバッサリ言い切った張本人である。 なぜ似顔絵が経験値野郎になったのかは古泉にも分からないが、なんか大絶賛されたので満足し、特に何も言わなかった。
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