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彼女は、そのまま和輝の父親の前までツカツカと歩み寄ると…。
「古宮さまっ!!」
「は…はいっ!?」
蒼麒の母の呼び掛けのあまりの勢いのよさに、思わず声が裏返ってしまった父親であったが。
さらに、がっちりと両手を握られて、さらに目を白黒とさせる。
「あ…あのぅ………」
「わたくし……チョー感動いたしましたっ!!」
「………………はい?」
「我が愚息…蒼麒との事、お許しいただきましてありがとうございますっ!!」
「…いえ…まだ…許した訳では………」
聡子は、そのままの勢いで振り返り、今度は香津子の前まで小走りで近寄ると、やはりその両手をがっちりと握った。
「和輝くんのお母様っ!!ありがとうございますっ!!それに、なんて深くて…素晴らしい母の愛でしょう!!こんなに可愛らしくて、愛情深いお子様をお育てになっていらっしゃるなんて…。貴女とご親戚になれること…光栄でごさいますわっ!!」
「……………はぁ…」
「ご安心なさって下さいまし!!2人の事は、わたくしも全力で守りますっ!!ええ。奥山が何て言おうと、世間が何て言おうと…立ちはだかってでも守りますわっ!!それに、わたくし達母親同士も、とっても仲良くなれそうな気がいたしませんこと?」
「……………………」
蒼麒の母の有り得ない弾けっぷりに…言葉を失う古宮夫妻を後目に、彼女は座り込んだままの和輝の前に移動し、そこに座ると、和輝の顔をじっと見つめた。
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