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古宮家の3人が、同時に同じ言葉を発して…。
やはり親子なんだなぁ…なんて、感傷に浸る暇もなく、事態はどんどんおかしな方向へ進んでいく。
「やっぱり『ケジメ』っていうのは必要だと思うのよ、蒼麒。そのためにも結婚式はするべきだわ!!」
「さすが、かーちゃんっ!!俺もそう思うよ~」
勝手に盛り上がる母子の間を割るように、和輝が蒼麒の腕を掴んだ。
「ちょっと待って蒼麒っ!!俺との事をどう思うのか…蒼麒のお父さんの意見は聞かないの!?」
まだ、きちんと許してもらってない…という意味も込めて、蒼麒を強く揺さぶる。
そんな愛しい彼の肩をポンポンっと叩いて、蒼麒はひとつ頷くと、父親に向かって声をかけた。
「とーちゃん!!たとえ、とーちゃんでも…俺たち2人の『愛』を裂くことはできない!!だから…俺たちのことを許してくれ!!」
「……ずっと、女の子だと思ってたんだ……男の子なのか…」
蒼麒の母親には『偏見』というものは皆無であったが…。
やはり普通の人は、そういうものを持っているのだと…今更ながらに心に刺さったものがチクリと痛むのを…和輝はひしひしと感じていた。
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