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奥山家に、あっけなく認められてしまった2人の関係。
『また蒼麒の策略にまんまと乗せられたの!?』…と、和輝が気付いた時には、時すでに遅くて。
「ま…いいですわ。そうね…やっぱりチャペルかしらねぇ」
「うち、仏教だけどな」
「ウェディングドレスはどんなデザインがいいかしら!?…和輝ちゃんは可愛いから、Aラインとか、プリンセススタイルとか…さぞかし可愛いでしょうねぇ!!」
「かーちゃんっ!!それもいいけど、白無垢も捨てがたいぞっ!!」
「ご招待客のリストを…」
「そんなに大袈裟にしなくていいよぉ~かーちゃん」
あっけにとられる古宮家を代表し、和輝が声をかけるけれど…。
「ねぇ蒼麒!!蒼麒ってば!!」
「心配すんな、和輝っ!!俺たちに任せとけって!!」
ニヤリと笑う蒼黒い2つの笑顔に何も返せる言葉もなく…。
散々盛り上がった会話をひたすら聞かされ続け、ようやく解放された時には、日はすっかり落ちていて。
疲れはてて、無言で家まで帰ってきた古宮家御一同様は、つつましいリビングで熱い番茶をすすり…。
『忘れましょう!!』
3人の大きな溜め息とともに、その夜は更けていったのであった…。
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