1 幸せのカタチ

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この世において…。 『世界で一番幸せ』になるはずの花嫁は、新郎と組んでいた腕をするりと外し、両手でブーケを持ち直すと、くるりと後ろを向いた。 先程の儀式でフェイスアップされた長いベール、バックの大きなシルクのリボン、レースをたくさんあしらったドレスの裾がふわりと揺れて…。 ただそれだけの行為なのに、嬉しそうに微笑む新郎をさらりと無視して、上半身だけこちらに向いた花嫁が声を張り上げた。 「翠さんっ!!コレ、ちゃんと受け取ってよっ!!」 「うんっ!!」 「世界で二番目に……絶対に幸せになってよ!!」 「うんっ!!分かったよ、かずっ!!」 「ブーケトス、行くよっ!!…そぉれっ!!」 花嫁の手から放たれたホワイトローズベースのラウンドブーケは、澄み渡った青空を飛び、綺麗な放物線を描いて、碧色の瞳がキラキラと輝く幼馴染みの腕のなかにすっぽりと納められた。 「やった♪受け取ったよ、かず!!……さぁ、みんなで幸せになろうねっ!!『NIKU イン ふぁいやー』の始まりだようっ!!」 受け取ったブーケを高々と頭上に掲げて、嬉しそうに披露宴の開会宣言をする翡翠に…。 「「「ちがーうっ!!そーじゃなくってーっ!!」」」 和輝、紅音、紫峰…3人の声が、幸せな会場内に響き渡ったのであった。 こちらは『天下無敵の蒼麒様』と『素直になれない和輝姫』と『彼らと愉快な仲間たち』のお話です。 さて…。 お伽噺(?)のはじまりはじまり♪ 、
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