全力災厄。

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サトちゃんの部屋を出た後、自室に入ろうとドアノブを下げた。 ーパサリッ 「………?」 足元を見ると、メモのような紙が落ちていた。 拾い上げて中を確認する。 『悠斗へ 薬の効力はちょうど24時間だから、学校を休もうなんて思わないように。 過去の実験のとき撮った写真と映像をお兄様が持ってることくらい知ってるよね?         お兄様より』 …………。 「ユーちゃんどうしたんだよ………て、なにそれ」 後ろから追い付いてきたサトちゃんが覗き込んできた。 「…………俺、学校行きますわ」 ダメだ、うまく笑えん。 「………………了解」 サトちゃんも、分かりやすく笑みが引きつっていた。 「ゆ、悠斗様!?そのお体はっ!?」 「身長が縮んで……!」 「悠斗様がっ………ヤベェ、普段より断然タイプっす!」 「かっかわい……!」 朝食も身支度も済ませて学校に向かえば視線の的。 ニット帽を被って耳は隠しているが、さすがに身長はどうにもならない。 「悠斗様、どうしてそのようなお体に!?」 「説明はまた今度、今はこれで我慢して」 鼻をおさえながら質問攻めしてくるチワワ様方や親衛隊の天使たちには、消しゴムを配って落ち着かせる。 これで、納得して皆引き下がるんだからビックリだ。 「ゆ、悠斗様あああああハアハアハアハアハアハアクンカクンカクンカクンカ舐めたいペロペロしたー……」 「失せろ変態があああっ!!」 そして末期の変態どもは全てサトちゃんが蹴り倒す。 「ユーちゃんにキメェこと言うんじゃねぇ」 俺たちの後ろには無数の屍が転がっていた。 もう一生サトちゃんの側に居たいっすわ。 イケメンすぎて後光が見えるお。 かわい子ちゃんたちに囲まれるだけならよかったんだが、外に出るとなぜか変態も大量発生した。 いきなりガチムチが飛び掛かってきたときはマジで死ぬかと思った。 てか、犯罪スレスレのやつが何でこんなに居るわけ? 王道学園ってなんだっけ? 「ふぅおおおおおおお悠斗さばあああああ」 「死ね!!」 そんなこんなで何とか教室にたどり着いた。
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