全力災厄。

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「あっ悠斗おはー……そ、その体どうしたんだよ!?」 はい皆のトラウマキター。 教室に入れば、いち早く反応したG。 驚いただけならいい。 顔を赤らめるな、本気で恐怖を感じる。 「俺より小さくなってんじゃん!一体なにがあー……」 「実はカッコ中略カッコ閉じだ!!」 「ぶるごあっ!!」 駆け寄ってきたGに、今日は特別消しゴムじゃない物を突っ込んで口を塞いだ。 「おら、飲み込めGたん」 「んぐっ………」 そう、俺の飲んだ薬をGにも飲ませたのだ。 実は今朝、俺の部屋の机の上に薬が数粒置いてあるのを発見した。 何のためかは知らんが、兄貴が置いていったらしい。 まぁとにかく。 ここでこいつを猫耳ショタ化させ、その上で変装をバラせば今日1日皆の注意はこいつに向く。 その間俺は空気。 おし、冴えてるぞ。 「てことでトイレにレッツゴー」 皆が理解出来ずに固まっている間に、俺はGの手をネクタイで縛ってトイレまで引き摺った。 「さてと……じゃあ変装解くか」 「な、なんのことだよ悠斗!!」 「下手な嘘ついてないで、黙って言うこときけ。そんなことも出来ねぇのか?」 俺が蔑んだ目で見ると簡単に大人しくなった。 ありがたいっちゃ、ありがたいんだが…………複雑。 まあ、それは一旦置いとき。 とりあえず変装を解こうじゃないか。 まず眼鏡を外してみたが、長いカツラのせいで大した変化はみられない。 次はカツラー…… 「………あり?」 取れないんだけど。 「痛いっ!そんな引っ張んなよ悠斗!!」 Gがちょっと呼吸荒くなってて更に気持ち悪いんだが、そんなことより。 「まさか……………地毛?」 「当たり前だ!!」 最悪だ。 俺は速攻で手を洗う。 地毛でこのモッサリ感とかどゆこと、何年散髪しなかったらこうなるんだおい。 そこは全部王道らしくしろよ。 なんでこいつは、中途半端に王道から逸れてんだ。 仕方ないのでトイレを物色し、発見したハサミとゴム手袋を使って髪を切ってやった。 もちろん途中薬の効果で苦しみだしたが、スルーして切り続けた。
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