全力災厄。

22/28

8269人が本棚に入れています
本棚に追加
/221ページ
「なんだ、これ生えてんのか。コスプレ趣味でもあるのかと思ったぞ」 そうか、今朝時点の情報じゃ猫耳のことまでは知らないわな。 ………じゃあ何故舐めた。 勘か魔神補正か、いずれにしても怖い。 とにかく早急に離れなければ。 「もうコスプレ趣味で納得してくれませんかね」 「猫耳が生えるとはな……どういう原理なんだ?」 「やっ!」 確かめるように、引っ張ったり撫でたりされる。 上を見上げたら嬉々として触ってくる魔神さんと目があった。 「なぁ、どういう原理なんだ?」 笑顔が黒いお。 ダメだ、魔神さん絶対離す気ねぇわ。 「質問に答えろよユー」 「そういうプレイは他の子にー……は、ん……やめっ!」 「なんて言ってるか、聞こえないんだが?」 もういやこのドS。 髪と一緒に撫でる程度かと思えばするりと耳の内側を掠めてくる。 触り方に緩急をつけてくるあたりわざとやってるとしか思えません。 てか知らん間に俺、魔神さんに抱き寄せられてるし。 「ひぅっ……ん、あ……ぅ」 俺を感じさせて何が楽しいってんだ、誰得誰得誰得誰得誰得誰得誰得誰得ぅ!! 誰か今すぐこの場所変わってくれそしたら俺得に昇華できるから! カズよ、今こそ出番だ! 絶賛現実逃避している最中、ふと魔神さんが俺の腰に手を這わせた。 「もしかして………尻尾もあるのか?」 「あっりませー……って答える前に探るな、ストオオォップ!!」 制止もむなしく、制服の裾から侵入してきた冷たい感触。 肌を直に触られて体がビクリと跳ねる。 聞いたなら、返事を待ってから実行に移そうぜ魔神さん。 いや、移さなくていいけど。 「ーっ!」 「お、これが尻尾か」 制服の中に隠していた尻尾は無理やり引っ張り出された。 これも確認するように数回ふにふにと握られた後、毛が逆立つ方向に撫でてくる。 「ひあっ!や、め……もっ……」 ヤバい本格的にヤバい。 理性と一緒にアイキャンフライしたい衝動に駆られるんだが。 ここらで止めて貰わないと男辞職しないといけなくなるぅ!
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8269人が本棚に入れています
本棚に追加