全力災厄。

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「触られただけで感じてんのか?そんな淫乱だったとは、知らなかったぞユー」 不可抗力だこんにゃろ! 変態のレッテルならクソ兄貴に貼ってくれ。 「違っ、くて!あっー……も、離せい!」 「断る」 うぇーい。 頑張って絞り出した言葉さんたちも皆一蹴されたお。 すると急に真剣な眼差しを向けてきた魔神さん。 「……そんなに気持ちいいなら、風紀委員室で続きしてやろうか?それともここでやるか?」 なにその2択、怖すぎるだろ。 体が反応してんのは認めるが、その2択………特に後者は絶対ない、皆無皆無。 確かにこのまま流れに任せて楽になりたい気持ちも、多少なりとはある。 だがしかし、それすなわちグッバイ男のプライド ウェルカム新たな世界なわけで。 それはいただけない。 「両方回ひっあ、はぅ!」 「いい忘れたが、答えがないときは強制的に風紀委員室連行だ」 尻尾の付け根をきゅうっと握られる。 痛みと快感に耐えるのが精々で、目に涙が溜まるのが分かった。 もう本当どうしよう。 「だいたいユーも悪いぞ?そんな姿でエロいことばっかして、誘ってるようにしか見えん」 「は、あ……それはっ、う」 せめて意見させてはもらえまいだろうか。 尻尾だけ触られていたはずが、いつの間にか耳も舐めとられ甘噛みされで理性は限界に近づいている。 もう魔神さんにしがみつく力しか残っていない。 「限界なのバレバレだぞ、ほら…………どうする?」 「だ、が断るっ……!!」 それでもやっぱ男捨てる気はありませんわ。 「そうか、なら連行するまでだ」 俺を抱き寄せる力が急に強くなった。 ガチで連行する気らしい。 ここでなんか腐男子ぶりを発揮してドン引きさせようか。 くそっ、なんとかして逃げねば。 「ま、魔神さー………」 「なにしてんだ阿呆!!」 突然魔神さんからベリッと剥がされ、今度は別の誰かの腕に収まる。 いや、誰かはもう分かっていたが。 「よう、久しぶりだなサト」 楽しそうに声をかけた魔神さん。 「………ユーちゃんに何してんすか先輩」 めっさ不機嫌そうだがそこはもうどうでもいい、サトちゃんがイケメンすぎて惚れる。 あなたが神か。
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