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サトちゃんと魔神さんから逃げつつ、小さくため息をついた。
やっぱり兄貴の薬は厄介事しか呼ばん。
こんなことして何が楽しいんだ、あいつは。
「…………て、人外のこと考えても無駄だわな」
忘れてた、あいつのことは考えても理解出来ないんだった。
まあ理解したくもないが。
ならこのことは一旦置いといて、今は逃げ場を探そう。
逃げ場……逃げ場……。
あと行ってないとこはー………
あ、保健室。
そうだ、保健室なら隠れられる。
体調悪くはないけど異常ならありまくりだし。
草見先生は俺を追い返しそうだが、何言いわれても押しきろう。
不覚だ、こんな場所を見落としていたとは。
すぐに向かわねば。
自分の中で即決して、90度方向転換。
保健室までまっしぐらー。
「失礼しまー………したー」
保健室に5分足らずで辿り着き、勢いよく扉を開けた。
開けかけた、けど閉めた。
なぜかって、保健室で草見先生の他にもう1人、今一番会いたくないやつが優雅にお茶してたから。
「………なんでクソ兄貴が校内に居んの?」
この絶望感ぱない。
なんで校内入れたとか、どうして草見先生と一緒に居るのかとか………正直理解しきれない所は多いが、とりあえず保健室に逃げようとしたらラスボスが居た。
セーブポイントに青鬼がいました的な感じ。
そこまでは把握。
さて、こっからどうしよう。
……これを期にラスボス討伐しよっかな。
確か保健室のドアの横に消火器があったはず。
おし、殺れるときに殺らねば。
「…………積年の恨み、今ここで晴らそうぞ」
急に妙な正義感に火がつき、ノリに任せてもう一度ドアを開ける。
それと同時に消火器を掴んでおもっくそ投げつけた。
「くらえエクス火器バアアアアアア!!」
鈍器の力見せてや……あり?
投げつけた先に兄貴は居なかった。
さっきのは見間違いか?
消火器結構重かったのに。
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