全力災厄。

26/28
8267人が本棚に入れています
本棚に追加
/221ページ
サトちゃんと魔神さんから逃げつつ、小さくため息をついた。 やっぱり兄貴の薬は厄介事しか呼ばん。 こんなことして何が楽しいんだ、あいつは。 「…………て、人外のこと考えても無駄だわな」 忘れてた、あいつのことは考えても理解出来ないんだった。 まあ理解したくもないが。 ならこのことは一旦置いといて、今は逃げ場を探そう。 逃げ場……逃げ場……。 あと行ってないとこはー……… あ、保健室。 そうだ、保健室なら隠れられる。 体調悪くはないけど異常ならありまくりだし。 草見先生は俺を追い返しそうだが、何言いわれても押しきろう。 不覚だ、こんな場所を見落としていたとは。 すぐに向かわねば。 自分の中で即決して、90度方向転換。 保健室までまっしぐらー。 「失礼しまー………したー」 保健室に5分足らずで辿り着き、勢いよく扉を開けた。 開けかけた、けど閉めた。 なぜかって、保健室で草見先生の他にもう1人、今一番会いたくないやつが優雅にお茶してたから。 「………なんでクソ兄貴が校内に居んの?」 この絶望感ぱない。 なんで校内入れたとか、どうして草見先生と一緒に居るのかとか………正直理解しきれない所は多いが、とりあえず保健室に逃げようとしたらラスボスが居た。 セーブポイントに青鬼がいました的な感じ。 そこまでは把握。 さて、こっからどうしよう。 ……これを期にラスボス討伐しよっかな。 確か保健室のドアの横に消火器があったはず。 おし、殺れるときに殺らねば。 「…………積年の恨み、今ここで晴らそうぞ」 急に妙な正義感に火がつき、ノリに任せてもう一度ドアを開ける。 それと同時に消火器を掴んでおもっくそ投げつけた。 「くらえエクス火器バアアアアアア!!」 鈍器の力見せてや……あり? 投げつけた先に兄貴は居なかった。 さっきのは見間違いか? 消火器結構重かったのに。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!