全力災厄。

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「毎度毎度同じ失敗繰り返して。恥ずかしくないのかい全く」 兄貴の声が横から聞こえた。 まさか扉の陰にっ………! 気付くのが1拍遅かったか、先に兄貴に尻尾をありったけの力で握られた。 「いっ……てえええええ!離せっ今すぐ離せ痛い痛い痛い!」 「なにすんのよ柊君!危ないじゃない!!」 俺が叫ぶのと草見先生がキレたのは、ほぼ同時だった。 兄貴に集中していて全っ然気が付かんかったが、消火器は草見先生の近くに投下されていたらしい。 椅子1脚とファンヒーター破損。 お前らの死は無駄にしない。 「入った瞬間消火器投げるなんてどう考えてもおかしいでしょ!どんな常識してんの、悪けりゃ大怪我してるわ!!」 「猫耳なんてファンタジーが許されてる時点で常識消え去っとるわ!消火器くらいなら大丈夫だろノリだ!てか痛ぇっつってんだろさっさと離しやがれ!!」 「今、目の前に猫耳兄弟プレイがなかったら、とっくに生徒指導室へ連行してるとこだわ!!萌えを見せたいのか、あたしを殺したいのかどっちかにしなさい!!」 二人して混乱真っ最中のため、対話が見事に成立していない。 そんな中でクソ兄貴は淡々としゃべり始めた。 「ゲームオーバーになっちゃったけど、どうだい?猫耳での登校は充分楽しめたかい?」 ゲームオーバー? 何のことだ。 とりあえず痛い、その一言に尽きる。 「保健室はNGポイントだったんだよ。保健室に逃げ込むようならお兄様の実験台決定。でもちゃんと1日過ごし切ったら、今回は本当にただのプレゼントにするつもりだったんだ」 何その裏設定、いらない。 てか実験台って……… 「俺が来るまで待ってるつもりだったんですか、そうなんですか?忠犬ハチ公かおまいは。テラワロス、暇人ざまあ」 さすが兄貴、俺には出来ないことを平然とやってのける。
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