全力攻防。

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「なぁユーちゃん、まだ近寄ってくれないのか?」 「当たり前橋の甘太郎焼」 「………本当悪かったって。もう無許可でキスとかしないから」 許可があればすると? 馬鹿め、誰が出すか。 あの猫耳事件が終わって数日、俺はサトちゃんと常に3、4歩離れた距離で過ごしてみた。 単なるキスへの仕返しだったりする。 サトちゃんも本気で近付こうと思えば出来るんだろうが、それはしてこない。 かなり罪悪感を感じているみたいだ。 拒否られるたびにショボンとしてますた萌え。 そんな元気のない姿に、さぞサトちゃんファンも増えたことだろう。 まぁ可哀想になってきたし、そろそろ止めるつもりだが。 それはそうと、あの日以来面倒事がかなり増えた。 かなりといっても、数的には少な………くはないと思うが、とにかく数よりその1つ1つが面倒すぎる。 まず1つ目。 「ユーちゃん、今度シャー芯やるから許してく―………」 「悠斗様ああああああああああ!!ショタもいいけど普段も素敵ですあああペロペロペロペロペロペロ」 「話遮んじゃねえ!!」 「げろぷっ!」 「柊君今日こそ―……」 「果てろ!!」 「ばまはぁ!」 1つ目。 変態に襲われるのが日課になってしまった。 どうやらあの黒歴史のせいで俺の親衛隊が対処しきれないほど変態が急増したらしい。 授業中や休み時間は結構平和なんだが、登校下校がな……。 廊下から草の茂み、エレベーターまで、至るところで変態が出現してくる。 かなり危ない変態が急に飛び出してくるんだぞ。 怖いに決まっとるわ。 もうショタでも猫耳でもないのに、理性吹っ飛んだ変態がなぜか跡を絶たない。 全く、どうしてこうなった。 「たく……懲りねぇなお前らは。大丈夫かユーちゃん」 そして登下校のボディーガードをサトちゃんが名乗り出てくれた。 毎日毎日襲い掛かってくるアンデッド達を、アリスよろしくバタバタなぎ倒してくださっている。 仕返しされてる側だってのに守ってくれるとか……だからお前はイケメンなんだよサトちゃん。 本当にありがとうございます。
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