全力幕間。

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「あ、ユーちゃん俺トイレ行ってくるからちょい待ってて」 「おう。俺の中で違う意味に変換された不思議」 「んなわけあるか阿呆、海に沈めるぞ」 マジサーセン。 んじゃま、戻ってくるまでの間この辺で待っときますか。 サトちゃんが男子トイレに入って行くのを見送って、近くの階段に座り一旦休憩。 てか男子校ゆえに男子トイレしかないけどな。 ………暇になった。 頬杖をついて、わいわい楽しそうな男の娘達が行き交うのをゆるーく見守る。 時々一緒に写真を撮って、と頼まれますた俺マジモテモテ。 ガチムチにも頼まれた瞬間はどうしようかと思ったが。 「そろそろ戻って来るか……ん?」 「あ?」 サトちゃんを迎えに行くために立とうとした時だった。 階段から降りてきた1人のイケメンと目が合った。 イケメン率クッソ高ぇわ。 「お前っ……柊悠斗………!?」 「イエース、アイムユウト」 いや、ちょっと待て。 お前誰やねん。 目が合ったと思えば、どうやら向こうは俺を知ってたみたいで少年マンガばりのリアクションで名前を呼んでくれました。 それで本当に貴方様は誰だ。 ただの俺のファンか? よく状況が掴めず謎のイケメンを見上げていると、向こうは俺に用があるらしく、ゆらりと近付いてきた。 「――ここで会ったが百年目だ」 はい? 「え、いっ――……てぇ……!」 ………どうやらファン路線は皆無皆無っぽい。 いきなり俺の胸ぐらを掴んで、おもっくそ壁に押し付けてきやがった。 見知らない赤メッシュのイケメンの顔が間近になる。 「ゲホッ……いってぇなおい。オタクは丁重に扱わねぇと禿げるんだぜ?」 「オ、……?いや、んなこたどうでもいいんだよ!今まで散々シカトしやがって…………!!」 待て待て待て。 本っ当におまいは誰だ! 俺誰かシカトしてたっけ、Gはノーカウントとしてだ。 「ちょ、もちつけ。むしろそこでもちつけ。俺が、貴方様に、一体何を、しましたか?」 「………てめぇ、俺のこと知らねぇのか?あ?」 「知らないっすわ。自意識マジ乙」 うーん誰だろう、このイケメン。 見覚えな…………あれ? 見覚え、あるぞ? ………ヤッベ、もしかしてピーンチ? 「ひ、人違いだと思いまっせ。もしくはオタク違い」 「誰が逃がすか。今までどうして呼び出しに応じなかったか、じっくり聞かせてもらおうか?」 思い出した…………生徒会長だ、こいつ。
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