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サトちゃん全然怖くないお。
うっは男前マジ萌え。
「や~、ごめんってサトちゃん。元気出せよ?ほら、さっきの消しゴム上げるからさ」
「むしろ傷口にタバスコ擦り込む気だろてめえは!」
タバスコとか想像するだけでゲロ痛そうですわ、いやでもサトちゃんがもっと涙目なるというならアリかもしれん。
「……今考えてたことを簡潔に述べろユーちゃん」
「聡さんマジ萌えハスハス」
「コロス」
これ以上言ったら殺られかねないので俺はこれから言動を慎んでいこうと思う、まる。
「あー……マジ泣きてぇ………」
「人を襲いかけといておまいは。俺の方が泣きてぇよ」
「じゃあ俺が泣かせてやる……」
「まだ言うか」
未練がましく睨んでくるサトちゃんの袖を掴んで階段を上がった。
こんな話してたら埒があかん。
ちゃっちゃと文化祭を楽しもう。
「おら、当初の目的忘れんなよサトちゃん。文化祭巡りすんぞ?」
「………分かったよ」
あーこれでようやく文化祭を見てまわれる。
はぁ…………疲れた。
2階は3年生の展示・模擬店エリアになっていた。
文化祭パンフレットを取り出して二人でまず何処に行きたいかを確認する。
ここから一番近いとこは亮さんのいる模擬店なんだけどなぁ。
………模擬店名からして、良い予感しねぇんだよなぁ。
「サトちゃーん……こっからだと一番近いのって………」
「………佐木先輩の所だな」
サトちゃんも模擬店名を見て難しい顔をしていた。
やっぱそうなるよな、うん。
「とりあえず、行ってみる?」
「そうだな………」
亮さんのいる模擬店は本当に全然遠くなかった。
数十メートル歩いたその先にある模擬店前で、俺とサトちゃんは一旦立ち止まる。
『ヤンデレ喫茶』
心底良い予感がまるでしない。
いざ来てみると、なんというか、外観は普通の喫茶店なんだよな。
いやまぁ、金のかかり方は普通じゃないんだけども。
「さて、どうする?」
「………入るか」
おおう、サトちゃんテラ勇者。
一歩踏み出してドアに触れようと手を伸ばした。
『うわああああああああごめんなさい本当にもう逃げないから許してくださいお願いします俺ずっとここにいるから許してくださいごめんなさいもうしないからお願いだからここから出してくれええええええ!!』
「よし、帰ろう」
「そうだな、亮さんにゃ申し訳ないが帰ろう」
この店の中から聞こえてきた絶叫がガチめに怖かった件。
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