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なんか此処に入ったが最後、新たな性癖の扉を開いてしまいそうな気がする。
サトちゃんとお互いに肩を叩きあって、店付近10メートル範囲から離れるために180度体の向きを変えた。
そのままBダッシュでもかましてやろうかと、悠斗は悠斗は考えてみる。
「―――いやぁそれなりに楽しかったんよ。で、もう帰らなきゃダメ?」
その時店の中から聞き覚えのある声を拾った。
今の、師匠……だよな?
師匠はあの空間に居るのか?
「九十九様はとりあえず早く帰って下さいっ!!」
そして追うようにしてこれまた覚えのある亮さんの声が。
ガラッと扉の開く音がして人が出てくる気配を感じた。
会いたくないわけじゃないんだけど、決して会いたくないわけじゃないんだけど。
再度嫌な予感がビンビンする。
「あれ、悠斗と聡なんよ?」
「こんなの営業妨害だぁー………って、悠斗様に聡様?」
ソウナリマスヨネー。
ヤンデレ喫茶から出てきたのは予想通り、九十九師匠と亮さんという俺の癒しツートップだった。
このシチュエーションでも癒し効果が発揮されるかは非常に重要な問題だったりするが。
てか師匠。
あなたは中でどんな追い出されるようなことをしてきたんだ。
名指しされてしまったらもうどうにもなんないから、サトちゃんも俺も仕方なく足を止めて振り返った。
「さっきぶりですししょーにりょーさん」
「何で棒読みなんですかー……」
あら、亮さんもいつになく疲れきっているじゃありませんか。
クラス統一の制服なのかバニーちゃんコスから一転、カジュアルなウェイターの格好をしている亮さんは、師匠の横で項垂れていた。
これは師匠×亮さんフラグか?
事後か、そうなのか?
エクスタシイイイイイィイイイイイイ!!
「二人は、えーともしかして、僕のお店に遊びに来てくれたんですか?」
もしかしなくともその通りだったんですけどそんな期待を込めた目でこっちを見ないで下さい。
やっぱ逃げる気満々なんで。
「あー……っと、亮さんのクラスの出し物見たいのは山々なんだけどー………」
「俺達、九十九先輩に用があって探してたんだ」
サトちゃんナイスフォロー!
オーラがすでに悟りを開いておられる!
今なら君に何を言われても受け入れられるかもしれない………というのは冗談で。
「そうそう!ごめん亮さん、後から見に行くから!師匠、少しお話をしましょうぞ!」
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