全力幕間。

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「……それで二人は俺にどーんな嘘の用事があるんよ?」 親指の痛みに敗北してちびっと涙目になっていたが、師匠の苦笑まじりの言葉を聞き我に返った。 なんだ、気付かれてたのか。 「いやぁーその、マジ申し訳ないっすわ師匠」 「誠意が全く伝わってこないんよ」 「先輩、俺からも言わせてもらいますがすいませんでした」 「いや別にそこまで気にしてないからいいんよー」 俺とサトちゃんの謝罪対応に差を感じた今日この頃。 なぜ俺の周りには俺のアンチしかいないんだ! だれか僕に優しさを下さい。 「それはそうと、もし行く当てがないなら俺のコーナーに来る?」 「なん……だと?」 師匠に誘われて俺がついていくと思っているのか? ふっ、まさか………。 「行かせて下さいお願いします」 そんなものホイホイついていくに決まってるだろう。 「サトちゃんもいいか?もちろんいいよな?なるほどいいそうだ。よし、行こう師匠」 「自己完結しやがった。……まぁ、俺も九十九先輩のコーナーは気になるしな」 「よーぅし!よくぞ言ったサトちゃん!」 「なら行くんよー。実は今回、悠斗が喜びそうな依頼が入ったから見せたかったんよ」 うっわー俺に見てほしかったとかなにそれ師匠マジ可愛い。 新しい眼鏡でもプレゼントしようかな。 いやそれより、俺の好きな物。 2次元かBLくらいしか思い付かないんだが。 ……なんかすっげ寂しくないか俺って。 「俺の好きな物?」 「そう、悠斗の好きな物」 その意味深な笑みはなに。 ……行けば分かるか。 うっし! テンション上がってきたぞ! そんな時期が俺にもありました。
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