全力幕間。

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裏切りおったコイツ! 体内時計曰く6.3秒で裏切りおったブルータス! 「3万2千円なんよ」 「ありがとうございます」 「のああああ!必死に稼いだバイト代の使い道がそれでいいのかサトちゃん!?」 だいたい値段が法外すぎるわ! まさかとは思うが百単位の部数で売られてるソレ全部、その値段で売る気なのか!? ……3万2千を百で掛けて、更にそれをCPの数だけ掛け………。 「………師匠さまや、元取るどころの話じゃないよね?」 「俺の幸せな老後のためには必要なことなんよ」 だまれ。 ………お黙りください。 「と、り、あ、え、ず。それ売るの止めてくれませんか。俺の肖像権発動していい?」 「わぁーお、悠斗って人間だったんだ。ちなみに他の同人誌は本人の承諾取ってあるんよ」 「俺の人権に仕事を与えたってくださいマジで」 てかサトちゃんも師匠もノーマルなんじゃねぇのかよ! 何かもうサトちゃんなんか、買ってすぐ手近な椅子に座って読み始めてるし。 初めてのご本でR18はキツいじゃないかねサトちゃん。 「もう本当に読むなって!」 「…………」 夢中になりすぎて聞こえていない……だと!? いと辛々し。 いや、それよりまずは根本をどうにかせねば! 「師匠、これはさすがに駄目っすよ。それに師匠はノーマルなんじゃ?」 「頼まれたら何でも最高のクオリティで創るのが、俺のポリシーなんよ」 無駄のない無駄なクオリティですね分かります。 「だからって俺の需要は皆無皆無でしょう!?」 「需要があったから創ったんよ」 「マジか」 「マジなんよ。大体お前は自分の抱きたいランキングを把握しているのかい?」 ………それは。 一瞬狼狽えると、その隙を突くようにして距離を詰められた。 「高校からの中途入学1年目にして、去年お前は9位を取った。知名度人気ともに申し分ない、分かってるんよ?」 ならサトちゃんの抱かれたいランキング6位はなんだってんだー。
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