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「9とか微妙っしょ、ねぇお師匠さんや?他のメンツと比べて俺だけガチ一般人」
「……とりあえず自分が一般人だっていう思い込みは粉砕した方がいいと思うんよ」
「解せぬ」
うん、てか今師匠と、俺の基本理念がどうとか知名度がどうとか師匠にギャルゲを創ってもらいたいとかそういう議論をしたいんじゃない。
「師匠、これじゃ堂々巡りです」
「お前が勝手に話ややこしくしてるだけなんよ」
ならば言わせてもらおう!
「じゃあ今すぐ俺受けシリーズを焼却炉にスローイン!それか名前を変えろ!そうしてくれりゃ逆に買い占める!」
そう、これが別に俺じゃないならむしろ万々歳なんだ。
師匠のスーパーハイスペックが濃縮された薄くてクソ高い本を目の前に、腐男子たる俺が歓喜つーか狂喜しないわけがない。
ほらそれに3次元から2次元への変換なんてぶっちゃけ名前なきゃ誰が誰かわかんねーし。
大丈夫だ、問題ない。
という迸る思いを目で訴えてみれば、師匠は息がかかるくらいの距離まで歩を進めてきた。
笑顔でポンッと頭を撫でられる。
「経済的じゃないから却下」
俺の人権死亡のお知らせ。
結局俺は師匠との戦いに負けて、教室の隅でキノコを栽培することになった。
全くなんだよーなんで俺が受けなんだよー。
攻めがいいってーんじゃないけどさー受けはないだろJK。
いくら師匠でもさー。
「あれ?なんでユーちゃん、んなとこでいじけてんだ?」
…………コ イ ツ は。
「さぁとぉるぅぅぅ!」
声だけで誰か確定して振り返る。
「え、何俺にキレてんの?」
「お前を含めた俺のアンチにキレている!」
一通り読み終わったのかどうかは知らんが、さっき買ってた本を抱えたサトちゃんが覗き込む形で俺の後ろに立っていた。
大体なんでテメェはそんな満足気な顔でガチホモ本を抱えてんだよ。
「……サトちゃん、目覚めた?」
「阿呆。お前と俺が載ってる奴しか読んでねぇよ」
そんな当たり前ですみたいな顔して言われてもだな。
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