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もう嫌だ何でコイツを一緒に連れてきたし。
せっかく師匠とハッピー&スウィートタイムを営んでいたのにだよ、水差すなこんにゃろ。
「コ〰タ〰ッ」
「だってこの人君が居ないと今の数倍めんどくさいんだもん」
「だもん、じゃねぇー……」
いくらなんでも、これはひでぇやコタさん。
只でさえ俺達の劇やる日が文化祭最終日で責任感と心労に押し潰されそうなのに。
いや、やっぱ全然潰れる気配はねーや。
でもこれ以上俺を疲れさすな。
「俺だってなぁ―――」
「園宮君がこのままクラスに居て準備に支障がでるよりマシでしょ?そのくらい我慢してよ。あとそんな涙目で不満そうにしても今の僕には効かないから」
「……やっぱ怒ってる?ぼっちにしたこと怒ってるよね?」
「イケメンだからって何でも許されると思うなよ」
「………その、すみません、でしたー……」
今のコタにはあんま触れないようにしとこ。
どこを触っても逆鱗に触れる、確実に。
―――しっかしどうすんのかね、このメンバーで。
俺にコタ、サトちゃん、師匠、不本意ながらGというかなり異色な面子が一堂に会することになった。
実際行き交う生徒の目を滅茶苦茶引いていた、俺とかサトちゃんは慣れっこだがな。
だけどこのままここに居るのはあれだしさっさとどうするか決めよう、一応折角の文化祭なんだかんな。
「とりあえずさ、えーとコタは何しに来たわけ?」
………あり、コタの視線がちょっぴりコールド。
ついでに俺の心臓完全ホールド。
「何それどういう意味?その来てほしくなかったみたいな言い方」
「だあもう違ぇよ!!違います!本当マジごめんなさい!!」
「いいんだぞ!俺は気にしてないからな悠斗!」
「よーしお前にはこの耳栓をプレゼントしよう。有り難く受けとれ、そして今すぐ着けろ」
「え!?やったぁ!ありがとう!これって使用済みか!?」
早くも疲れてきたんだが。
いかん、帰りたくなってきた。
「大丈夫だぞユーちゃん、俺がフォローしてやっから」
後ろからポンポンと頭を撫でられたかと思えば、さっきまで空気だったサトちゃんがいらした。
「空気からの昇格おめでとう、ついでに手に提げてる本も捨てた方がカッコいいぜサトちゃん」
「さりげなく酷くね?」
「あ、悠斗君あそこは?」
サトちゃん完璧スルー乙で、コタがある展示教室を指差した。
一面を覆う暗幕に、いかにもな雰囲気の看板。
あれは――………
「お化け屋敷?」
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