全力再戦。

34/34
8266人が本棚に入れています
本棚に追加
/221ページ
「いやぁ……実はですね―……」 「何してんだユーちゃん!!」 ふおっ、ビビった! 後ろに振り返れば、ものっそい形相のサトちゃんが走ってきていた。 駆け鬼中なの忘れてますた。 慌てて魔神さんの後ろに隠れる。 「やめろ、止まれ、近寄るなあぁあああ!」 「気付け阿呆!先輩も鬼だ!!」 …………ほいさ? 鬼って生徒会と風紀と抱かれたいラン、あ。 そういえば、と自分の頭に手を伸ばす。 ハチマキが………ない。 もしかして俺捕まった? 「あの……魔神、さん?」 「あぁ、悪いな」 俺のハチマキを掲げながら怪しい笑みを溢す魔神さん。 「………いや、なんか今の魔神さんの顔見れたなら本望っすわ」 なんというか、魔神さんがあまりにも妖艶で敗北感が沸かない。 「チッ、遅かったか」 おうおう悔しそうだな聡よ。 サトちゃんの珍しい表情見れたし、これはこれで良い結果だ。 『……3、2、1、時間切れ!!生徒の皆さんは、グラウンドに集合してください!』 ナイスタイミングで終わった。 この駆け鬼、途中経過報告ないし、集計も後日だから放送部は暇の極みだっただろうな。 俺たちは3人でグラウンドに戻り、引き続き閉会式が行われて、体育祭はあっさり幕を引いた。 …………にしても、あのGは一体何だったんだ。 まあいい、記憶から抹消しよう。 しかし、これからが本当の始まりだったなんて、俺は知る由もなかった…………的なフラグは建てません。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!