【第1試合】 VSグレート・ザ・屍豪鬼(3)

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「え? えええッ?! ま、まさか! こ、これわぁ!」  興奮した様子のローブの少女は突然に立ち上がり、胸に手を突っ込む。そして、ごそごそと何かを探している。一方、ボサメガネ少女は、ローブの少女に突き飛ばされて、尻もちをついてしまった。 「や、やっぱりですぅ! マッスルジュエルが輝いていますぅ!」  ローブの少女は、胸から、光り輝くハート形の宝石を取り出した。宝石は様々な色の光を、四方八方に放っている。 「マッスルジュエルのこの反応! 間違いないのですぅ! この近くに、適合者様がいらっしゃるのですぅ!」  ローブの少女は宝石に話かけるように、声を上げる。 「マッスルジュエルよ、教えてくださいですぅ! 適合者様は、どこにいるのですぅ?」  ローブの少女は、輝く宝石を握り締め、その手を空に掲げた。 “ピキュゥアアァァァァッ”  四方に放たれていた宝石の光が、ひとつにまとまっていく。光は1本の線になろうとしている。 「この光の先に、適合者様がいらっしゃるのですねッ?!」  光がまとまりかけた、その時。ローブの少女の手首が、強烈な握力で握り絞られた。 「い、痛いですぅ! な、何をするのですぅ!?」  グレート・ザ・屍豪鬼は、宝石が握られているローブの少女の手を締め上げ、そのまま身体ごと持ち上げた。 「痛いッ! いたいッ! イタイっ! はなせ! ですぅ! はんなぁせぇ! ですぅ!」  ローブの少女は足をバタバタとさせ、離せと言わんばかりに暴れて抵抗する。 「シゴシゴシゴッ! お嬢ちゃんよ、いくらジタバタしようが無駄ってもんじゃい。まるで泣き叫んでいる乳飲み子を抱いているような気分じゃて」  グレート・ザ・屍豪鬼は更に力を加えて、ローブの少女の手を締め絞る。ローブの少女は痛みに耐えかね、グレート・ザ・屍豪鬼のスネに連続つま先蹴りを叩き込む。しかしグレート・ザ・屍豪鬼は涼しい顔で、ローブ少女に話しかける。 「それよりも、貴様の持っているそれは、正真正銘、本物のマッスルジュエルなのか?」  グレート・ザ・屍豪鬼は、ローブの少女の顔を覗き込み、睨みつけた。
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