【第1試合】 VSグレート・ザ・屍豪鬼(4)

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 胸を張って大威張りするミーノを、グレート・ザ・屍豪鬼は苦々しく睨みつけながら、大きく舌打ちをした。 「いつの間にすり替えよったんじゃあ、あんの小娘めがぁ! ふざけよって! マッスルジュエルはどこじゃい!」  キョロキョロと周囲を見回すグレート・ザ・屍豪鬼の目に、猛ダッシュでその場を離れて行くボサメガネ少女の姿が映った。 「お願いですぅ! それを持って、遠くに逃げてくださいですぅ!」  ボサメガネ少女に向かって叫ぶミーノを見て、グレート・ザ・屍豪鬼はあかんべえをしているミーノ人形を、ミーノ本人に投げつけた。怒り混じりのグレート・ザ・屍豪鬼が放ったミーノ人形は、とてつもない勢いの剛速球となって、ミーノに被弾した。 「きゃああぁぁッ! ですぅ!」  ミーノは思い切り吹き飛ばされ、地面を転げまわる。 「ミ、ミーノちゃん!」  ボサメガネ少女は立ち止り、ミーノの方に向き直る。 「シュラスコ族のお嬢ちゃんへのお仕置きは、これくらいにしといてやろうかのお。次は貴様だ! 人間のお嬢ちゃんよお!」  グレート・ザ・屍豪鬼の右腕のブラッディ・バンブレが、鉛筆ほどのミニサイズになる。 「超手加減版、しごき桜・乱れ咲きの刑!」  極小サイズのブラッディ・バンブレが生み出した衝撃波が、ボサメガネ少女を襲う。 「きゃあああぁぁぁッ!」  手加減版とはいえ、その威力はかなりのものであった。ボサメガネ少女の身体は引き裂かれ、全身がズタボロにされてしまう。 「い、いやぁ……」  まとっている着衣はビリビリに破かれ、あらわにされている肌には、痛々しい血の滲みやアザがある。  ボサメガネ少女は顔を真っ青にして、弱々しい声を漏らす。肩は震え、目には涙が溜まっている。 「シゴシゴシゴッ! 恐怖のあまりに、悲鳴すら上げられぬか!」  グレート・ザ・屍豪鬼は、うつむいているボサメガネ少女の顔を覗き込み、にたりと笑った。  グレート・ザ・屍豪鬼と目が合ったボサメガネ少女は、グレート・ザ・屍豪鬼をきつく睨み、殴りかかりそうな勢いで声を荒げる。
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