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ーー……なるほど、それは随分辛い過去だね。
それに、君の身体だって……。
ーーそうよ。ひどい状態よ。私だって今の自分の状態を理解しているわ。
身体のあちこちは切り刻まれて綿が飛び出し、右手と左足は消失し、全身犬の唾液と尿で汚され、左眼は割れ、首はもげかけているでしょう。
私の心も身体と同じ。ズタズタよ。
でも笑顔だけは残ってる。私の身体の中で一番嫌いなつり上がった口角は。この笑顔が忌々しいわ。だからお願い、私の顔を潰して。遠慮なんていらないわ。
ーーわかったよ。顔を潰せばいいんだね?
ぼくは今の話を聞いて救いようがないほど哀れな君にできるだけ力を貸そうと思ったよ。何か他にぼくにできることはないかい?
ーーホントに?じゃあ私に力を貸してほしいわ。
復讐したいの。
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