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俺はすぐ隣にいた友人の一人のユウキをそっと揺さぶる。
「……うん?なんだタクヤか。どうしたんだ……ん?どこだよここ!」
ユウキの大声で残りの二人、カズキとケンスケも目を覚ました。
「……何だここ!」
三人は驚いた様子でキョロキョロと辺りを見回している。
俺も自分の周りに目を向けた。
白く殺風景な部屋だった。床、壁、天井すべてが白く無機質で、家具や机など何ひとつなかった。窓も見当たらない。部屋は天井までがとても高く、大きさは縦横五メートル、高さは二十メートルほどだった。
「なんか気味が悪い部屋だな……。とりあえず、外に出ようぜ」
ケンスケのその言葉に促されて、俺たちは出口を探した。
ユウキの後ろに黒い線が長方形を作った状態でドアがあった。ドアらしきものはこの部屋にはそれしかない。
ユウキがドアノブを回したが、ドアノブはガチャガチャと音を立てて頑なに回ることを拒んだ。
「ああっ?どうして開かないんだよ!」
ユウキのイライラした声が部屋に響く。外側から鍵がかけられているようだ。
ドアを叩いて大声で人を呼んでみたが、ドアが開く気配はない。
仕方がないので、みんなでドアを蹴りつけたり、体当たりをしたりしてドアを壊そうと試みた。
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