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しばらくドアに激しい攻撃を加えていた俺たちだったが、やがて力尽きて冷えた床に手をついた。とても頑丈にできているようで、若い男数人の力をもってしても壊すことはできなかった。
俺たち四人はこの白い密室に閉じ込められたのだ。
不安が募る中、ケンスケが口を開いた。
「ところでさ、俺たちどうしてこんなところにいるんだっけ?何だか昨晩のことがよく思い出せないんだよ」
確かに。この部屋から脱出することに夢中であまり考えなかったが、なんで俺たちはこんなおかしな部屋にいるのだ?記憶を巻き戻してみるが、昨夜の記憶だけ靄がかかったように思い出せない。
「確か、ケンスケの誕生日会とかいって、四人揃って居酒屋で飲んでいたんじゃなかった?みんな飲みすぎてバカ騒ぎしてさ、店員に怒られたじゃん」
ああ、思い出した。その後追い出されるようにして店を出たんだったな。
みんなカズキの言うことに頷いている。
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