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ーーなるほどね。私は他とは違う特別な存在なのね。
でも私はあなたの話でいう感情のないただの“モノ”として生まれてきたかったわ。
私たちは、楽しいとか悲しいとか感じないのが普通で、私みたいに感じてしまうのは異常なことなのよ。
私は異常。異常であるがために、こんなに苦しい思いをしなくてはならないの。
私にも希望に満ち溢れた幸せな日々はあったわ。
でもそれは昔の話。
裏切られたその時、幸せは不幸せに変わる。身も心もどす黒く汚されていく。
私がもしごく普通の“モノ”であったなら、感情が存在しなかったなら、幸せこそ感じなかったけれど、苦しみを感じることはなかった。普通がよかった。異常な自分が憎い。
いいわ、教えてあげる。私の過去を。
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