32人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねえ……この穴何だろう?」
カズキが呟いた。俺たちはカズキの指す先に注目する。
丸い穴があった。大きさは五百円玉くらい。見れば、その穴は壁にびっしりと規則正しく並び、腰の高さまで存在している。穴を目で追うと、ぐるりと一周してしまった。
さらに俺は変わったものを見つけて三人に呼びかけた。
「何か数字が書いてあるぞ」
ドアがある壁と対面する壁の隅に黒い横線があり、その横に数字が刻まれている。数字は天井まで続いていて、見上げると1~20まであることがわかった。
「俺たちの腰の辺りに1、背丈より少し高いところに2とあって、それが等間隔に続いているから、高さ“メートル”を表しているんじゃないかな」
俺はケンスケのいうことに納得する。
数字は高さを表しているのはわかったが、気持ち悪いほどたくさん並んだ穴の意味はわからない。覗いてみても真っ暗で何も見えなかった。
最初のコメントを投稿しよう!