人間水槽

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「ねえ……この穴何だろう?」 カズキが呟いた。俺たちはカズキの指す先に注目する。 丸い穴があった。大きさは五百円玉くらい。見れば、その穴は壁にびっしりと規則正しく並び、腰の高さまで存在している。穴を目で追うと、ぐるりと一周してしまった。 さらに俺は変わったものを見つけて三人に呼びかけた。 「何か数字が書いてあるぞ」 ドアがある壁と対面する壁の隅に黒い横線があり、その横に数字が刻まれている。数字は天井まで続いていて、見上げると1~20まであることがわかった。 「俺たちの腰の辺りに1、背丈より少し高いところに2とあって、それが等間隔に続いているから、高さ“メートル”を表しているんじゃないかな」 俺はケンスケのいうことに納得する。 数字は高さを表しているのはわかったが、気持ち悪いほどたくさん並んだ穴の意味はわからない。覗いてみても真っ暗で何も見えなかった。
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