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何かは死体を食べているようだった。死体で腹が満たされればいいが、そうでなければ俺たちを襲い出すことも十分考えられる。
上には天井、下には怪物。どうすればいいかわからない。
俺たちは溺れるか、得体の知れない怪物に喰われて死ぬしかないのか……。
絶望的な気分になったとき、ケンスケの声が聞こえた。
「生き残る道はある!さっき赤く点灯したボタンだ!あれには“STOP!”と書かれていた。どうなるかわからないが、押してみる価値はある!」
そうかボタンか。“STOP!”の文字は水面の上昇を止めると解釈することもできる。
とにかく、何かアクションを起こさない限り、俺たちは死ぬのだ。
「ああっ!」
再びカズキの悲鳴。カズキは突然水中に消えた。
死体をたいらげた怪物がついに俺たちに手をかけたのだ。
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