32人が本棚に入れています
本棚に追加
元気な女の子の声が聞こえてきた。きゃあきゃあ叫びながら、人形コーナーを走り回っている。
女の子は私を見つけると、目を輝かせた。
「ママー!あたし、誕生日プレゼントこれにする!」
「まあ、かわいらしいお人形。本当にこれでいいのね?」
「うん!」
女の子は嬉しそうに箱の中の私を覗き込んだ。
選ばれなかった他の人形が羨望と嫉妬の眼差しを私に向けていたけど、私はほとんど気にしなかった。
嬉しかった。とても嬉しかった。
こうして私は買われたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!