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昼休みが終わった
僕の通うこの遠峰学園の午後の授業は必ず能力開発だ
能力開発は一年生から教師(校長を除く)までの全員が1対1で戦い能力を高め…
要は戦って経験値をためようぜってことだ
授業は試合形式で行われる
そのため、生徒も教師も昼飯を食べたら即着替えて第三運動場に向かわなければならない
今更だが僕は二年なのでもう慣れたが最初はアホほど広い校内でよく迷った
本当に広い
アホほど広い
むしろアホだ
もうすぐ秋の決闘祭がある
そのためか最近はみんな気合いが入ってて少し怖い
運動場に着くと対戦表が出ていて運動場はすでに6つのエリアに区切られていた
今日の僕の試合はCブロックの3試合目だった
「嘉神川くんもCブロック?」
少し時間があったので試合を眺めながらぼーっとしていると女の子に話しかけられた
「そうだよ、瀬尾さんも?」
最近よく話をするようになった人だ
なんで話すようになったのかは忘れた
「うん、私は2試合目なんだ。応援してね~」
瀬尾さんは笑いながら僕に言った
「瀬尾さんとは当たりたくないからほどほどに応援しとくよ」
女の子とは戦いたくない
なんか攻撃し辛いし
「え~、ひっどいな~。あ、私の試合だからもう行くね」
そう言って瀬尾さんはまた笑った
こんなによく笑う人じゃなかった気がする
「何だよ、この海斗さんの試合は見ないで由乃ちゃんの試合を見てるのかよ、空くんは」
瀬尾さんの試合を見ていると隣に海斗が座った
そりゃ野郎なんかより女の子の試合を見るよ
「そりゃ野郎なんかより女の子の試合を見るよ」
「正直過ぎるだろ」
ん?声に出してたみたいだ
「最近よく由乃ちゃんと話してるよな、空お前もしk」
「黙れよ、なんでもそっちに持って行くな。今すぐ火葬するぞ」
つい、強く言ってしまった
まぁいいか
「お前が火葬するとか言うとシャレにならないんだけど」
僕らがバカなことばかり言っている内に瀬尾さんの試合が終わってしまった
どうやら勝ったみたいだ
「お疲れ瀬尾さん」
「ありがとう嘉神川くん。へへへ、勝ちましたぜ」
瀬尾さんは笑いながら指をVにした
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