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「おめでとう、まさか負けるとは思わなかった」
先生はまだ苦しそうではあるがそれなりに回復したようだ
本気で打った訳ではないが少し可哀想だったからな
「剛m…斎藤先生、大丈夫ですか?」
「おい、今なn「斎藤先生!大丈夫ですか!?」
「お、おう」
「では、第4試合の方準備をお願いします」
審判の教師の合図で次の選手と入れ替わる
しかし斎藤先生は小学生で剛毛になることを選んだのか
確かになかなか面白そうな能力ではあるけど
「おめでとう~嘉神川くん。これくらいは余裕って感じだったね~」
瀬尾さんが飲み物を持って話しかけてきた
なんか運動部のマネージャーみたいだな
「いやいや、余裕ではないよ。あ、飲み物ありがとう」
そう言って瀬尾さんから飲み物を受け取る
「そういえば海斗は?」
試合前までナンパ野郎にしか見えなかった海斗が居なかった
まさか、あまりにしつこく鬱陶しくて瀬尾さんに消されたのかな?
「如月くん?『次の試合があるから行ってくるぜ!見ててくれよ!』って言ってどっか行ったよ」
つまり海斗の試合以前に行方も見ていないと
まぁその内来るだろ
「ホデュワッ!」
?
遠くで気味の悪い海斗の叫び声が聞こえたな
「…あ」
Eブロックで海斗が派手に飛んで『ふっ…効いたぜ…お前の拳…』とか言って地面に叩きつけられてるようだ
ちなみに相手は一年生の女子で止めは蹴りだった
その後その一年生は友達と『如月先輩で良かったねー』『ホント良かったよー』などと話していたのを聞いてしまったのは不可抗力だ
もちろん僕だけではなく海斗も聞こえたはずだ
こちらに向かいながら
「いいんだ…いいんだ…」
とか呟いてたからな
「如月くん負けちゃったね~」
「ちっちっち、負けたんじゃない。譲ったのさ」
「え…あ、そうなの…?」
瀬尾さんが信じかけてる
こんなに純真な人を騙すなんて酷い奴だ
「嘘つくなよ、能力使う間もなくやられたくせに」
「違うもん!先手を譲ったんだもん!」
あぁ、マジで譲ってはいたんだな
「つまり一撃…?」
瀬尾さんの一言で海斗は走り去った
まあ負けたら後は帰っても良いしな
しばらく僕等は立ち尽くしていた
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