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「瀬尾由乃さん準備をお願いします」
審判の先生が呼びかける
「あんまりお話出来なかったね、じゃあまた後でね~」
そう言って瀬尾さんは行ってしまった
まぁ他にやることないから見てるけど
瀬尾さんの次の相手は二年生の男子だ
名字は忘れたが名前は確か寛斗だかなんだか
それなりに戦える能力者だと聞いたが瀬尾さんは大丈夫かな
「それでは、試合開始」
試合開始の合図と同時に寛斗が前に走り出す
瀬尾さんは構えたまま様子を見ているのかまだ動かない
寛斗が右腕を瀬尾さんに向けて伸ばす
右手の先辺りが一瞬歪み、風の塊が発射される
「俺の能力は風を操る能力でcreate「うるさいっ!」
瀬尾さんは風を避けて寛斗に近づき腹に蹴りをぶち込んだ
あぁ…なんか言いかけてたのに
寛斗がよろめいた隙を逃さず瀬尾さんは寛斗の背後に回り肘鉄を入れた
「…かぁ…っぐ!」
寛斗は痛みに顔をしかめたがすぐに瀬尾さんに向き合う
寛斗が後ろに跳ぶ
そして風で瀬尾さんを引き寄せる
瀬尾さんは上に跳躍して風を避けた
「無駄だぜ!」
寛斗が空中の瀬尾さんを狙い撃ちしようとする
だが瀬尾さんの方が一瞬早かった
空気中の水分を凝結させて…えっと…
氷使いです
ちょっと難しいことはよく分からないや
寛斗が風を操るより先に瀬尾さんの作り出した拳ほどの氷は
寛斗の右肩、腹、右腿左脛に直撃した
「う!…くぅ…俺の負けだ」
寛斗は両手を挙げて負けを認める
「やったよ、嘉神川くん!また勝っちゃった~」
先ほどまであんなに殺気を放ってた人間とは思えない笑顔だった
「お疲れ様。やっぱり瀬尾さんは強いね、海斗とは大違いだよ」
「…嘉神川くんは強い女の子って「嘉神川空くん、準備お願いします」
審判の先生の声で瀬尾さんの声は聞こえなかった
「ごめん、また後で話そう。行ってくるよ」
「あ…うん。頑張ってね~!」
瀬尾さんは少し無理に笑った気がした
次の相手は見たことのある相手だった
名前は知らないけど…あの…一年の糞ビッチ?
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