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最寄駅から電車でひと駅で割と大きなショッピングモールに行くことができ、大概のものはそこで揃えることができる。
映画館もあるし、暇を持て余すとついついここに足を運んでしまう。
雑貨屋さんを覗いたり、ベビー服を眺めたり、オーガニックのボディミルクを手に取ったりしてウロウロしていたら、あっという間に1時間ほど過ぎてしまった。これだけでも結構な運動になったんじゃない?
広いモールを走り回る3歳くらいの男の子を、お母さんが小走りで追いかけている。男の子は元気で可愛い。
休みがてらお気に入りのパン屋さんに併設されたレストランでランチをいただいて、ついでにパンを買って帰る。
三嶋の家に帰る頃には、3時を過ぎてしまっていた。
「ただいま帰りました」
玄関を入り、そのまま離れの方に行く。
今日は三嶋のみんなはそれぞれお仕事で、この時間は小森さんが来て母屋の掃除をしている頃だろう。
晩御飯の支度は手伝わせてもらおう。それまでは小森さんの仕事の邪魔はせずに買ってきた雑誌でも読んでおこうかな。
渡り廊下を歩き離れの扉を開くと、ちょうど幼稚園から帰ってきたばかりのニコちゃんが制服のままキッチンで手を洗っているところだった。
「ニコちゃん、おかえり」
「あ、鳥ちゃん、ただいまあ。おかえりい」
手のひらで石鹸を泡立てながらニコちゃんが挨拶してくれる。
「ふふ、ただいま」
ニコちゃんの隣で桃さんがおやつの用意をしているのが見えた。
「えー、おせんべい昨日も食べたやん。ニコ、ドーナツ食べたい」
「ドーナツなんかあらへんよ。 ええやん、おせんべいで。歯が丈夫になるし」
「えー、いややあ。ドーナツ食べたい!」
ほっぺを膨らまして文句を言うニコちゃんに思わず笑ってしまった。
あー、やっぱり女の子は可愛いなあ。女の子もいいなあ。
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