馬鹿、挑戦する

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「よっっっっっしゃぁあ今のは完っ璧な着地だったな!!正直あれだけの難易度の技を出しておいて一歩もふらつかずに両足を揃えての着地なんて世界広しと言えどもこの俺を除いて他に出来る奴なんていないだろ、まあ惜しむべくはあれだけの高度が有りながら失敗を恐れて十回転捻りしかしなかったところか、しかしそれを差し引いたとしても素晴らしい演技だった、そうは思わないか!?」 土煙が晴れ視界が戻ると、そこには先程の衝撃でできたであろう大きなクレーターと、無駄に口の回る小さな生物がありました。 …先程は人間と断定してしまいましたが、果たして本当に人間なのでしょうか? 普通であればあれほどの高度から墜落すればただでは済みません。 もしかすると、新手の妖怪という線も…! なんにしてもここは適当に話を合わせておくのが得策ですね。 「確かに素晴らしいの一言につきますが、着地後のドヤ顔を忘れていますよ?」 「なにっ!?着地後のドヤ顔は任意じゃないのか!?」 「任意なはずないでしょう?オリンピックを観てみなさい、ほとんどの選手が決めてます。義務でなければあんな恥ずかしい顔そうそうできませんよ」 「そう…だったのか…」 そんな訳ないでしょうに…。 でも、とりあえず私の驚異にはならないでしょう。 恐らくこれはただの馬鹿です。
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