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ともあれ、今の話を聞くと恐らくこれは“外来人”、見れば確かに服装もこの世界とは異なるもののようですね。
黒を基調とした服、以前他の外来人が着ていた“制服”(?)というものに似ている気がしますが、上着は短く、下は裾を膝下程まで捲り上げ、あまりいい印象が持てる服装ではありませんね。
茶色く逆立った髪と腕に巻かれた包帯が彼の気質を的確に表しているように思います。
まあ小さいですし、馬鹿ですし、全く怖くはないのですけれども。
なんにしても、この妖怪の山で放置しておくには些か危険ですかね?
あれだけ派手な登場をしておけば山の天狗たちもすぐに気づくとは思うのですが、まあ此処に来られるのは望むところではありませんね。
はてさてどうしたものでしょう…。
「なあここってどの辺だか分かるか?できれば家の近くだといいんだけど」
「あぁ、そういえばまだこの世界の話をしていませんでしたね」
「世界の話?てつがくってやつか?」
「世界とは…と語って差し上げたいのは山々ですが、これからお話しする内容は決して頭でっかちな机上論等ではなく現実のお話です」
「…なあ」
「なんですか?」
「机上論って何だ?」
…馬鹿だ。
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