BARの手配書はふざけてるがそれをみている男達もふざけている

5/5
前へ
/10ページ
次へ
「ひゅ~」 ゾラが普通高い声で囃し立てる声で行うものをわざと低く唸るように言った。 場の空気が下がることこの上ない。 「反応薄いな…しかもなんだそれは…」 「まぁまぁ。だいたい意味は理解した。まぁ仮に魔王がドMだったら今ごろとっくにヤンキーとかチンピラにボコられて幸せに昇天すんだろ」 「アホかお前。ヤンキーやらチンピラなんかが魔王に殴り込みかけるわけないだろう」 あきれ顔で葉巻から吸った煙を吐き出す。 モワーッとその煙がゾラの顔に被った。 「あぁん?!いい度胸してんじゃねぇかジジィ!金出せよ!」 ガタンッと足をカウンターにのせてロコイに迫るゾラ。 「チンピラかお前」 「誰がキンピラだ!ゴボウ入れんじゃねぇよ、スジってんの嫌いなんだよ」 「言ってないだろう。出してもないしなキンピラ。なんだスジってるって。新しい言語作るな。会話についていけない」 「ゴボウはよスジスジしてんだろ!?」 「あー、そういうことか。確かにスジっている」 「だろ?ジジィ!」 「誰がジジィだ。ふざけるのも大概にしろゾラ」 「悪いな、なんかハマっちまった」 「さっさと依頼受けるのかどうか決めろ」 「ドMの魔王を討伐しにかよ?」 「そうと決まったわけではないだろう」 もうコイツには何を言っても無駄だ…と今更ながらに痛感したロコイだった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加