傍観者

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ディスプレイには、メールの画面が表示されていた。 情報屋からのメールで、文面はこう書いてある。 『ターゲットの行動を予測できた。 ターゲットはここ一週間同じ時間に同じ道を通り、一日一人のペースで人を殺めている模様。 午後七時三十二分。北区商店街中央通りを通る。』 そして、メールには写真が添付してあった。 その写真には、目付きが悪いスーツを来た青年を中心に写した 人混みの風景が写し出されている。 木宮 晃(キミヤ ヒカル) 今回のターゲットで、アクマに存在を売った不幸な男。 今日、僕たちが殺害する男。 僕は、隣に置いておいたM16と、用意しておいたマガジン、そしてスマホをボストンバックに詰め込んでダイスケに投げ返す。 そして、鉄骨から飛び降り、ベレッタM92、警棒、そして愛用しているナイフ二本(サバイバル、ブッシュ)をホルスターにしまってゆく。 警棒とベレッタを右腰に、サバイバルナイフを左腰に、ブッシュナイフをバックにいれ、そのバックを肩に掛ける。 「行くぞ、ユウキ」 準備が終ったタイミングを見計らって ダイスケが僕に言う。 倉庫のスライド式の扉をダイスケが開けると、 僕が着ているお気に入りの黒いダッフルパーカーが、十一月の肌を突き刺す様な冷たい風に靡いた。 ━━━━━━━━━━━━
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