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『コロシタイ』『アヤメタイ』『コワシタイ』
それが、今の僕の心情。
何時からだったか…
この異常な感情が私の心に根付いてしまったのは
そう。あの日だ…
あの日。
なにか黒いモノが私の心に入り込んだ。
その黒いモノは私に問う
『──────。』
私は何故かその問いに答えてしまい、
そして、なにかが自分の中で大きく変わってしまった…
その日から、あろうことか私は一日一人のペースで人を殺めている。
毎日、夜になるにつれて
殺意が私を蝕んでゆき、最終的には自分が自分では無いかのように、身体がいうことを聞かなくなる。
どうか…
神様がいるのなら
私が私でいられている今の内に
この命を奪って欲しい。
そう願った時だ…
“二ノ前”が住むこの都市の北区商店街の中央通りを、何時ものように歩んでいた私の背後から声を掛ける少年が居た。
その少年は、黒いフード付きのダッフルパーカーを着て、長いアッシュブラウンの髪で右目を隠した少年。
アッシュブラウンで隠れていない
左目は目付きが悪く、
私と同じ様な異質を思わせる。
だけど何故だろう…
私には、この少年が
私の願いを聞き届けてくれた、神様からの使いに思えた。
「オイ。聞いてるのかお前…
木宮 晃だな?」
少年は一度溜めてから、冷たく言い放つ
「僕は、今からお前を殺す」
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